リミニ・プロトコル『ブラック・タイ』

今日も横浜の神奈川芸術劇場で、世界の注目を集めているRimini Protokollの『Black Tie』を観てきました。
リミニは、いつも演劇とはまったく縁のない素人さん(長距離トラック運転手、鉄道マニアの人達など)を起用して作品を通して現代社会のさまざまな問題を浮彫にしてしまうアートプロジェクト・ユニットなのです。

今回の『ブラック・タイ』はドイツ人の家庭に養子にとられた韓国人の女性(ジャーナリスト)が出演している。
彼女は生まれてしばらくして、新聞紙に包まれて靴箱みたいな箱に入れられてソウルの市役所の前に捨てられていて、その後孤児院に預けられ、そして国際養子縁組(孤児輸出)でドイツ人家庭に養子にとられた(商談成立)と、自身の生い立ちを淡々と語っていく。

自分がくるまれていた新聞紙の日付(1977年○月○日)、記事や広告からその当時の社会情勢を探り、いつ、どこで生まれたのか、自分を形成しているDNAの型は?そして母はだれ?私はだれ?と自らのアイデンティティーを探る。

この信じがたい現実の中でたくましく生きる彼女の姿は、同じ時代を生きている私たちにショックと感動を与える。

まったく憐憫を感じさせない客観的で凛とした態度で、彼女はところどころで私たちに語りかける。

「あなたはわたしを見ている」

「わたしはあなたを見ている」

まさにドキュメンタリー。
私たちは彼女のプライベートを覗き見ている。。。はっと思わず目をそらしたくなった瞬間だった。

この作品は初演が、2008年。
“私の家族は私だけ”と衝撃的な発言をする彼女。

今回の上演の冒頭で
「初演から変わったこと、それは私にひとりの子供が産まれたことです。」
と私たちに報せてくれた言葉が、“私の家族は私だけ”という言葉と対照的によみがえってきた。
スポンサーサイト
*
○ 2011/02/27 23:29 ● かんそうTrackback:0Comment:2
カレンダー
01 | 2011/02 | 03
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 - - - - -
Web page translation
月別アーカイブ
最近のトラックバック