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これまでの日々~2007

観劇3・・・Gier

今日も公園で一休みしてから劇場(schaubhne)へ向かう。(観劇前に公園で一眠りするのが習慣になりつつある。)
Sarah Kane(サラ・ケイン)作、Thomas Ostermeier(トーマス・オスターマイヤー)演出、”Gier"(渇望)。(サラ・ケインが自ら命を絶つ1年前に書かれた作品で、この”渇望”から作風が変わったといわれている。ちなみに次の作品は、遺作となった”4.48サイコシス。)
2000年3月に上演して以来、レパートリーの一作品としてずっと続いているようだ。(日本では川村毅演出で、2004年に上演されている。)
舞台奥に男女2人づつの計4人が座る、4つの椅子が並んでいる。舞台前方に4本のスタンドマイク。セリフを喋るには、椅子から立って、舞台前方へ歩いていって、マイクを通して喋らなければならない。椅子取りゲームみたいだ。4人が人生について、愛について、家族についてなどそれぞれの思いを語っているらしい。が、体や言葉は観客に向かっている。しまいに、椅子をマイクの傍に持ってきて喋る人、立ったままの人など、焦燥感や絶望感だろうか、心理と関係していると思われる行動が現れる。”すべての人は、憎しみと疲れと怒りと自己愛を持っている。”と叫んでいた。
昨年、阿部初美演出の”4.48サイコシス”にガッツリ取り組んで疲れ果ててしまった私は、タフなドイツの俳優達がどう演じているんだろうと、体力面を観察するような見方になってしまったのだが、やっぱり終わった後、俳優達はかなり疲労しているようだった。
..2007年5月6日(日) No.302


Zoologischer Garten(ツォーローギッシャー ガルテン)

今日、日本ではこどもの日。友人とその会社の同僚達と一緒にベルリンの中心にある“ツォーローギッシャー ガルテン”(動物園)に行った。
日本のテレビで、この動物園で母親が育児放棄して飼育係に育てられている白クマのドキュメンタリー番組を何度か見たことがあった。
今日はその白クマを見るツアーだ。早く見ておかないと子熊じゃなくなるというのだ。
1日に2回だけ公開される、その名も“クヌート”、ベルリンでの人気はすごいものだった。
誰もが“クヌート”と口にするととろけるような笑顔を見せて“かわいい~!”、“も~う、大好き~!!という。街中の店でもクヌートのぬいぐるみやら、ポストカードやら、白クマであれば何でもいいのか無理矢理作ったような子熊の絵本やらであふれていた。
1時間前から、クヌートの登場を待つ人だかり。もちろん私たちもしっかりとその中に入っていた。テレビでよく見ていた、長い髪を後ろで一つにまとめてる飼育係のおじさんが出てきた。するとその足元にずいぶん大きくなったクヌートがじゃれながら走り出てきた。
最近はじゃれつかれると痛みが走るらしい。遠くで見たのでよくわからなかったが動きがまだまだ子供でかわいかった。
..2007年5月5日(土) No.300


観劇1・・・Wunschkonzert(ヴンシュコンツェルト)

公園のベンチでホームレスのおじさんと一緒に一休み。
充電を終えると劇場(schaub?0.hne/シャウビューネ)に向かった。
Thomas Ostermeier(トーマス・オスターマイアー) の”Wunschkonzert"(ラジオのリクエスト音楽番組?)。
日本で2005年に世田谷パブリックシアターで上演した「NORA」の演出家だ。
出演は、ノラで主役をやっていたAnne Tismer(アンネ・ティスマー)。
几帳面で神経質でその上口がきけない一人暮らしの女性が、買い物から荷物を抱えて帰ってきたところから芝居は始まる。几帳面さゆえ、あらゆる物の場所が決まっていて、彼女の行動パターンも決まっている。食事の準備、食事、ゴミ捨て、たばこを1本吸う間だけ見るテレビ、排泄、洗濯・・・。日常が無言のままに進行していく。
排泄も実際便器にまたがり、リアルな音響が便器の中から響き渡る。どうも彼女は便秘らしい。そして、ラジオから流れるオペラ歌手の歌声が現実の物となり、窓の外(高層マンション)に、いるはずのないオペラ歌手が立って歌っている。
幻覚に疲れ果てた彼女は眠りに就こうとするが、神経が冴えて眠れず、睡眠薬を飲み始める。
2~3錠を飲み込むと、しばらく考えてもう1錠追加する。そしてまたおまけに1錠、もう気持ち1錠と、1錠が次々と口の中に入っていくところで終わる。
どうも一人の女性が自殺に至る直前の生活の様子を私たちは見てしまったようだ。
でも、この女性演じるアンネ・ティスマーさんの軽さのある演技と、自然と醸し出されるユーモアに、最後に飲んでる薬はもしかして”便秘薬”だったのだろうか・・・?とさえ思わせる。もしかしたら”便秘薬”であって欲しいと無意識に心の中で思っていたのかも知れない。深刻さがないぶん、とてもリアルで、見終わった後で危険な感じがじわじわと膨らんでいく作品だった。
..2007年5月4日(金) No.299


留守電。

5/7からお世話になるホームステイ先に電話をかける。
どうやら大家さんはとても忙しい方で、仕事から帰ってくるのがいつも遅いらしく、私は何時頃家に入ることができるのか聞かなければいけない。
ところが留守電。大家さんとまったく面識がないので、会話ならまだ話も早いのだが、留守電となるとすべてを細かく説明しなければならない。私にはまだそんな語学力がない。
一気に萎えていく。何度受話器を置こうとしたことか。でも無言でガチャンと切られた留守電を聞くのはあまりいい気持ちがしない。よし!と喋り出したが、
「私は谷川清美と申します。日本から来ました。あなたのところに滞在します。また・・・また・・・また・・・・・・・・。ありがとうございました。」
なんてこった!!ひどすぎる。何が言いたいんじゃ?こんなことならメッセージ入れない方がよかった。あわてて辞書を片手に詳細を書きFaxすることに。
..2007年5月4日(金) No.298


1日が長い・・・。

いよいよ飛行機は成田を出発。
と、何やら機内の様子がおかしい。すると機長からのアナウンスが流れ“いろいろな方法を試みたけどモニターが機能しない。しょうがないけどこのまま出発する。なので、緊急時のガイドをフライトアテンダントがやる。”というものだった。国際線でモニターの故障とは。
でも珍しい光景を目にした。機内の通路にずらりと並ぶ乗務員。何やら即興に誓い緊張感。段取りに自信がなくとなりのスチュワーデスさんの動きを盗み見たりして。この即興が無事終わると、一人のドイツ人スチュワードさんが興奮してやってきて“君たちすばらしかったよ~!”とスチュワーデスさん達に拍手をした。
私もこのパフォーマンスを楽しむと、家を出る直前に届いた語学学校の書類に目を通す。これまでの疲れがどっと出てきて、辞書を引き引き2~3行訳しては眠りにつき、機内食を食べては眠りにつき、時々スチュワーデスさんにドイツ語で話しかけるが必ず聞き返され、今後どうなることやらと気が遠くなっては深い眠りにつく。この繰り返しだった。トランジットのフランクフルトに到着したときには、大切な書類がくしゃくしゃになってしまっていた・・・。
これだけ寝たのに、まだ5月3日。乗り継ぎ便は搭乗ゲートが変わっていたものの、定刻通りテーゲル空港に出発。
快晴。フランクフルトの郊外には長方形の茶色い畑と、緑の畑と、黄色い畑が広がり、まるでパッチワークの布を広げたように美しかった。
そして、テーゲル空港に到着。ほんとに“いよいよ”といった感じがして気持ちが引き締まる。今日から3日間、友人宅にお世話になる。切符売り場の窓口のおじさんに、行き先を告げると「○オー○○。」と言うのだ。私が「オー?」と聞き返すと「オー。」と答える。「オー?」「オー。」これを何度かやってるうちに“オイロ(ユーロ)”のことだとわかり私が「ああ!オイロ!!」と言うと、おじさんは深くうなずきながら「オー。」と言った。
..2007年5月3日(木) No.297


ベルリンへ

出かける直前になってバタバタしてしまうのが常なので、今回は1ヶ月前から少しずつ準備を始めていた。にもかかわらずやはりバタバタ。
最後はガス、電気、戸締まりを何度も確認して家を飛び出す。
ベルリンへは今回で3度目。でもこれまでと違うのは公演ではなく、語学留学だ。
昨年夏、語学学校に2ヶ月間通ったものの、その後は舞台が重なっていたため、独学の決心をする。毎日(怠けた日も多々あったが)朝と夜寝る前にドイツ語の勉強。出発ぎりぎりまで机に向かった。
芝居創りと同じだと思った。いよいよ本番だ。
..2007年5月3日(木) No.296


『残り火』

『アトミック・サバイバー』で燃え尽きることなく、いまだくすぶり続けているメンバーが再び集まって、今度はベケットの『残り火』の稽古に取り組んでいます。
またもや日々、ああでもない、こうでもないと、想像力をめいっぱい働かせ、様々な試みを繰り返しております。
稽古場では、毎日新しく生まれ出てくる表現に笑いが絶えません・・・。
いよいよあさってから本番です。また例のごとく本番が終わるまで、ああでもない、こうでもないとやってますんで、ぜひみなさん劇場に足をお運びください。
「劇場で作品を”観”て”聴く”」「インターネットラジオで作品を”聴く”」どちらも楽しんでいただける作品になっていますが、両方試していただけるといろいろな発見があると思います。詳しくはこちら↓
http://tif.anj.or.jp/program/becket.html
ご来場心よりお待ちしております。
追伸:『テアトロ』 2007年 04月号(綜合演劇雑誌、カモミール社)の表紙に『アトミック・サバイバー』の舞台美術の写真が掲載されています。
また、『芸術新潮』2007年04月号(新潮社)に『アトミック・サバイバー』の劇評(内野儀著)が出てます。本屋さんに行かれた際には、ぜひこの2冊をみてみてください。
..2007年3月27日(火) No.295


ご来場ありがとうございました!

回を重ねる度に、たくさんの方々が劇場に足を運んでくださり、千秋楽は大入り満員。
チケットが完売しているにもかかわらず、お客様が続々と劇場につめかけてくださり、パワーみなぎる劇場空間となりました。
反響も大きく、たくさんの感想メールをいただいております。まだまだ受け付けております。
東京公演だけで終わらせてしまうのはもったいない、との嬉しい声も聞かれます。
私もそう思うのです。“長い時間をかけて、新たな可能性を探り、日々かたちを変えながら形作られていった作品”にたいする愛着はもちろんのこと、この新しい演劇の表現方法を多くの方々に観てもらって、演劇や社会にいっそう関心を向け、観る目に幅をもってもらえたらと思うのです。
稽古中に美浜原発事故での犠牲者に関する記事を送ってくれていた、徳島の親戚のおばさんから“お疲れさま”との電話がありました。今徳島でも、隣の高知県東洋町の“最終処分場問題”が住民の関心事だとか。
四国でもこの公演がやれたらと思うのですが、いかがでしょう。
この作品に携わり、協力し、支えてくださった多くの方々に感謝いたします。
そしてご来場くださったみなさま、どうもありがとうございました。
..2007年3月3日(土) No.294


幕が開いた

これまで日記で、あれこれ一喜一憂ぶりを書いてきたのだが、ついにこの日を迎えた。
ご来場くださったみなさまありがとうございました。
初日というのは、やはり”特別な日”でして、朝からすがすがしい気分と、わくわくする気持ちと、稽古を終えた充実感と、不安と恐怖が入り混ざって、とても複雑な精神状態になる。
劇場入りする前に、巣鴨の商店街を歩く。連日の運びだ。
買い物もあったのだが、この通りは、年配の方々や、働く人達のパワーにあふれる場所なのだ。
昨日は”とげ抜き地蔵”にお参りをした。本堂の前に線香のけむりがもくもくと立ちのぼるところで、ご老人に混じって、けむりを頭にかぶっては”セリフを忘れませんように”、のどにあてては”いい声?が出ますように”、体に浴びせては”体力が持ちますように”と、あちこちやってたらいつの間にかご老人達の注目を集めてしまっていた。この子よっぽどおこまりなのね~といった視線。そして本堂で本番の成功と無事を祈った。
みなさんも巣鴨を散策しながら、ぜひ劇場にお立ち寄りください。
..2007年2月22日(木) No.293


はじめての2回通し

今日はじめて、作品を2回通した。
というのも、初日ソワレで幕が開くと、2ステージが2日間続き、ラストがマチネという、ほとんど、劇場に入り浸っているような本番スケジュールになっているのだ。
“どこまで体力と集中力がもつか”の実験的な通し稽古のようなものだった。
1回目はみごとにぼろぼろ。
2回目が始まる前にダメ出しがあると、舞台上に俳優、客席にスタッフ陣と、全員集められてダメだし・・・、と思いきや、この日は、共演者の野村さんの誕生日だった。
照明が暗くなり、映像(スクリーンにでっかくお祝いの文字)、ケーキと、野村さんの大好きなお酒のプレゼントが手渡され、制作のS子さんのお母さんが、劇場の炊事場?で煮炊きしてくださった、バランスのとてた愛情こもったおいしい手料理が、どど~んと振る舞われた。
そうだった、このためにみんな集まったんだ~。とほっとして、盛大に野村さんをお祝いしてたところに、「○時からスタッフ、その後役者のみなさんに、演出家からダメ出しがありますので~。」と舞台監督のH氏。やっぱりあるんだ・・・、と全員うなだれる。
「いっぱい、いっぱいダメ出しあります!」と演出家。
2回目の通しの準備の時間がなくなるくらい、なが~い、大量のダメ出しがあった。
気を引き締めて、2回目にトライ。何だかお客さんが続々とやってきた。これって本番!?
野村さんにあやかって、愛情と、おいしい食べ物をたらふく身体に詰め込んで、心身共にリフレッシュ。
すばらしいできだった。
2回も通してえねるぎーの消耗が激しかったにもかかわらず、帰り道、何とも言えない爽快感。足取りも身体もじつに軽かった。
..2007年2月20日(火) No.292


アトミック・サバイバー

劇場入り。
今日もまた事故多発。
発電に至るまでの、さまざまな施設や、備品のミニチュアが立ち並ぶ中、実際起きたら大変なことになるようなことが続発。
事故、あ、事象は連日のように起きてしまう。
明日は何が待ち受けているんだろう・・・。
毎日はらはらドキドキ。これってけっこう楽しい。
全員が舞台に立ち続けるのだが、私も客席から観てみたい。
..2007年2月18日(日) No.291


お別れ会

今日、岸田今日子さんのお別れ会だった。
会場には、いつもの顔ぶれ、懐かしい方々、超がつくくらい有名な方々・・・と、今日子さんの人生のどこかある地点で出会った人達が大勢集まった。
今日子さんの人生を共に振り返りながら、初めて出会ったときの事や、語りかけてくださった言葉や、最後になってしまった会話なんかが、何度も何度も蘇ってきた。
..2007年2月15日(木) No.289


アトミック・サバイバー

今日は劇場での通し稽古。
舞台装置や小道具がとにかく多い。小道具がセッティングされていなかったり、壊れたり、不具合を起こしたり、その他もろもろ。これまでになかったようなハプニングが続出。
もともとの作りが、”芝居”という感じじゃないので、ひやっとしつつも俳優4人で”戯れて”はいたものの、何かちょっとしたことでタイミングがずれただけで見え方が変わってくるという、遊びとゆるさの中にかくされた、繊細さと厳しさを兼ね備えている。通し終えるとみんなぐったり。
これだけいろんなことがあったから、もうこれ以上のことはないでしょう・・・と、みんなうなだれてしまった。
あと1週間で、幕が開く。
みなさんのお越しを心よりお待ちしてます。
..2007年2月14日(水) No.288


アトミック・サバイバー

早いもので、もう2月。そして、本番が近づいてきてしまった。
今回の作品は内容が盛りだくさんで、芝居はもちろんのこと、歌やダンス(と言えるようなものではないかもしれないけど)、映画もある。
今日は、歌の録音と、映画の撮影の日だった。
いくつかある映画の中の、”放射能防止マニュアル”の撮影でのこと。
放射能から身を守るために実際に考案された格好で、住宅街を走った。道行く人達は、私たちの格好を見て、当然怪しんだ。「何をやっているんですか?」「これは何なんですか?」「これから何か工事でも始めるんですか?」と、その顔には、野次馬的な態度は見られず、みんな勇気を出して質問してきたという感じだった。
演出家が人々にちらしを見せて撮影であることを説明して安心してもらう。
でも、実際放射能がやってきたら(目には見えないけど)、みんなこんな格好して、放射能から身を守ることになるんですよね・・・と、完全防備で目にしたゴーグルが曇って視界が悪い中、彼らを見つめた。
..2007年2月3日(土) No.287
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